先進医療とは

先進医療とは、がんの免疫療法など開発途上ではあるが一般の保険診療で認められる医療の水準を超えた最新の先進技術に対し、厚生労働省が特に将来性があると判断したものについて、混合診療をみとめる制度です(先進医療の定義)。
かつては「高度先進医療」という名称でしたが、平成18年の法改正により『先進医療』という新制度になりました。
先進医療の先進技術の部分は、患者が全額自己負担するが、それに付随する検査や入院・投薬など一般治療部分は保険診療になります(特別料金部分+保険診療の2段階)。
2010年4月現在で、がんをはじめ105種類の高度な先進医療が実施されています。実施している病院や対象疾病の詳細については、以下の厚生労働省のホームページが参考になります。
先進医療は主に、全国の大学病院や国立のがんセンターなどで実施されており、がん、心臓病、特殊な代謝疾患、特殊な関節疾患などが多いようです。

粒子線治療

がんには「粒子線治療」という、身体の中の一定の深さでエネルギーが高まる放射線治療がありますが、「重粒子線治療」はその一つです。X線に比べがん細胞を破壊する力が2,3倍も強く、これまで治療しにくかった骨肉腫や悪性黒色腫も治療できる威力があります。
その上、がんの周囲の正常な細胞への影響が少なく副作用が少ない、身体を切らないので痛みがなく患者の負担が少ない、効果が高いので治療回数も少なく短期間で治療できる、などのメリットもあります。
しかし、「重粒子線」を発生させるには、光の速度の70%の速さまで放射線粒子を加速させなければならないため、大掛かりな施設が必要で、日本国内には千葉県、兵庫県、群馬県の3箇所にしかその治療施設がありません。
「重粒子線治療」が適応となるがんは、脳腫瘍、頭蓋底腫瘍、眼腫瘍、頭頸部がん、肺がん、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、子宮がん、直腸がん、骨腫瘍、軟部組織腫瘍などです。

肝臓がんの先進医療

肝臓がんの分野でも「先進医療」は行われています。内臓疾患の手術は、現在では腹腔鏡手術が主流になりつつありますが、肝臓がんの場合、その腹腔鏡手術が「先進医療」として行われてきました。
しかし、肝臓の腹腔鏡手術の場合、切除する部位や大きさにより手術の難易度も異なるため、切除範囲の小さい部分切除と外側区域切除の場合は、一定の設備を有する施設では保険適用になり、患者の経済的負担が減りました。
より大きな範囲の切除となる「腹腔鏡補助下肝切除術」という手術は、2008年より岩手医大などで高度医療として行われていますが、この手術の実施施設はまだわずかだそうです。
岩手医大の場合、「腹腔鏡補助下肝切除術」の適応症は、原発性肝癌、転移性肝癌、肝良性肝疾患で、高度医療部分の費用は、449000円です。
今後の普及を目指して、技術の拡大を図っているということです。高度医療なので、一般診察・治療の部分は保険適用となります。

先進医療を受けるには

高度な先進医療の実施を承認された病院は、「特定承認保険医療機関」といいますが、ほとんどが大学病院や国立のがんセンターなどです。
この先進医療を受けるには、現在患者が希望して医師が必要性と合理性を認めた場合におこなわれることになります。
実際に上記病院にかかる時の手続きは、一般の保険診療の場合と同じですが、治療内容や費用について説明を受けた後に、同意書に署名し、治療をうけることになります。
具体的には、現在治療を受けている医療機関から紹介状(「診療情報提供書」を含む)を書いてもらい、高度先進医療を実施している医療機関を再度受診することになります。
そこで、担当の医師らに適応を判断してもらい、治療の適応となれば先進医療をうけることができるようになります。

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