禁煙の効果1
非喫煙者の方は喫煙者に比べて発がんリスクが低いのは言うまでもありません。しかし、だからといって喫煙者の方は一生発がんリスクが高いままなのか、というとそうではありません。
喫煙者の方が発がんリスクを軽減させるには、なんと言っても禁煙が効果的です。
喫煙とがんとの関連は、禁煙した人のリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)が吸い続けた人と比べて下がることによっても示されています。
たばこを吸い続けた人より禁煙した人のほうがリスクが低いがんとして、口腔がん、食道がん(扁平上皮癌)、胃がん、肺がん、喉頭がん、膀胱がん、子宮頸がん(扁平上皮癌)があります。
禁煙をするだけで、こうしたがんの発症リスクを大きく下げることができるのです。
膵臓がん、腎細胞がんについても研究報告は少ないものの、禁煙した人は喫煙継続者よりがんのリスクが低いとされています。
これらほとんどのがん種で、禁煙してからの期間が長くなるほどリスクが低くなります。
特に、子宮頸がん(扁平上皮癌)では、禁煙後急速にリスクが下がり、その後、たばこを吸ったことがない人のレベルまで下がり続けます。
禁煙の効果2
また喉頭がんでも、禁煙後急速にリスクが低くなり、10~15年でリスクが約60%下がります。肺がんは、禁煙後5~9年でリスクが下がり始めます。
肺がんは、禁煙後のリスクがたばこを吸ったことのない人のレベルまで下がることは難しいですが、禁煙する年齢が若いほど禁煙の効果は大きくなり、何歳で禁煙をしてもリスクは下がります。
ヘビースモーカーだから今更禁煙しても・・・と考えている方も、あきらめずに今日からでも禁煙を始めましょう。
また、禁煙と同時に禁酒もできればなお良いでしょう。口腔内にへばりついたニコチン他の発がん物質はアルコールによく溶けます。
喫煙者がアルコールを飲むことで、口腔内の発がん物質がそのまま胃に流れ込むことなり、すなわち胃がんなどのリスクを高めることになりますので、禁酒も発がんリスクを抑えるのに効果的だといえます。
もし両方やめるのが困難なら、喫煙を優先してやめるべきかもしれません。飲酒そのものにも発がんリスクはありますが、飲酒と喫煙の両方を行うことは先述のとおり、発がんリスクを高めます。