医療保険とは

医療保険とは、被保険者が疾病または傷害により医師の治療を受けた場合に所定の保険金を支払う保険の総称をいいます。
医療給付金(入院給付金、看護給付金、手術給付金など)の支給を主たる給付とし、併せて死亡保障や傷害保障、場合によっては、疾病や傷害による休業期間中の賃金の補償を目的とする給付を行うこともあります。
具体的な商品形態としては、単独の形態によるものと主契約への特約付加の形態によるものとがあります。

単独の形態によるものの代表的な例は、生命保険会社による医療保障保険、損害保険会社による医療費用保険などがあげられます。
なお、社会保険としての健康保険、国民健康保険などを一括して医療保険ということがあるので、医療保険とは普通保険ないし私保険に属するものと社会保険ないし公保険に属するものとがあることになります。
私保険とは、いわゆる民間の保険のことで、個人の自由な意思で、加入や解約を決めることができる保険のです。CMなどが流されている生命保険や損害保険がこれにあたります。
私保険は、その契約の内容によりますが、原則として月々の支払額が変わることはありません。また、「万が一」のことがあって、支給されるお金が変わることもないので安心です。

公保険

一方、公保険とは、たとえば、健康保険や雇用保険、国民年金などのように、自由に解約ができない保険のことです。
公的な保険は、私保険とは違って、法改正などで、保険金額や年金金額の支給金額が減少したり、支払い額や開始年齢が引き上げられたりすることもあります。
公的な保険は、その時々の国家の財政状況や国策によっていつでも法改正がされる可能性があるのです。2007年に問題となった社会保険庁のデータ入力ミスなどのような「万が一」のことがあると、最悪、支払われないこともあるのです。
こうした事態に備えて、公的な保険だけではなくて、民間の保険も組み入れた方が将来的には安心できるといえます。

民間の医療保険は「第三分野」と呼ばれる保険で、生命保険会社でも損害保険会社でも販売されています。保障期間のタイプは、数年ごとに更新を迎える定期型と、一生涯保障が続く終身型のふたつに大きく分けられます。

日本の医療制度

日本では、国民医療保険に入っていれば、地元の病院、里帰りしての病院、個人病院、総合病院、公立病院、私立病院、どこでも自由に受診でき、また、医療費も、どこでも同じように保険が利きます。また、緊急時も、誰もが平等にその病院での最善の医療が受けられます。
日本では国民皆保険に加入するという万全の社会保障体制がとられているため、いつでも病院にかかることができます。
しかし、こうした体制は当然のものではありません。世界的にみると日本は医療制度の充実した大変恵まれた国といえるのです。

事実アメリカでは、日本のような国が運営する国民皆保険加入制度というものは存在しません。
そのため、アメリカの国民は民間の保険会社の中から自分たちのライフスタイルにあった保険を選び、保険契約を結ぶのです。
会社などに勤める場合は、会社が加入している保険に入ることができます。会社は、一般に、複数の保険会社と契約をしており、加入する人は、各家庭の事情に応じて、いくつかの保険会社のなかから選び出します。
この場合は、保険会社の選択の幅も狭まることになります。更に、診療を受けられる病院が制限される場合もあります。
保険の種類によっては、保険会社の指定した病院のリストの中からからしか選べないことがあるからです。

医療保険を考える

気に入った病院がないときや、ぜひ受診したい医師がリストの中にない場合、どうしたらいいのでしょうか。この場合、保険がきかないことになるため全額自己負担が原則になります。
ただ、治療費がある一定額を超えた場合、超過後の医療費の数十パーセントまでなら負担してくれる場合もあります。ですから、諦めずに保険会社に問い合わせてみるか、契約時にもらう説明書、または保険カードをチェックしてみましょう。
個人で保険に加入する場合は、何をどこまでカバーしてもらいたいのか、きちんと将来的なリスクを踏まえてプランを練る必要があります。

また、アメリカで診療を受ける場合(日本に住民票がない場合)に注意しなければならない点がもうひとつあります。それは、専門医にかかることができない場合があるということです。
日本では、鼻が悪そうなら耳鼻科、目が痛いなら眼科に、ただ保険証を持って直接行けばいいわけですが、アメリカではそうは簡単に事が運びません。
それは、上記で述べたような保険会社で指定した医者にしかかかれない保険があるからです。まずかかりつけの医者のところへ行き、そこで紹介状を書いてもらい、その紹介状持参で専門医に行くという面倒な手続きを踏まなければなりません。

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