伝統医療

伝統医療にはさまざまな種類があり、代表的なものに「中国医学」、中国医学を日本独自に変化させた「漢方医学」、インドの医学「アーユルヴェーダ」、他にも「自然療法」、「温泉療法」などがあります。
このような伝統医学は人間が本来備え持っている自然治癒力を高めることを基本としています。
また、近代の西洋医療が病気に対する治療を行うのに対して、伝統医療は個人個人の症状にあわせた治療を行うことも大きな特徴です。

伝統医療は西洋医学に比べて歴史が古く、経験的な方法によって生み出された医療であり、ほとんどのものは科学的な解明がされていません。
漢方薬や鍼など最近になり少しずつ解明された医療もありますが、まだすべてが解明されていないのが実態です。
これまで先進国で中心に行われてきた西洋医学は、病気の原因を徹底的に解明し、投薬や手術などの科学的に実証された方法で治療を行います。さらに統計学的に医学を分析し、治療効果を計ります。

漢方

統合医療で取り入れられる代替医療で最もよく知られているものは漢方です。
漢方は古代中国で始まった中国伝統医学で、日本に伝わった後に日本独自の進化を遂げた伝統医療です。
漢方薬による治療だけではなく、鍼や灸なども含まれています。中国から朝鮮半島を渡って日本へ伝わったのは6世紀中頃と言われ、長い歴史を持っています。

日本では明治以降、西洋医学が医療の中心となりましたが、それまでは漢方などの伝統医療を中心とした病気の治療が行われていました。
西洋医学が取り入れられると漢方は次第に衰退し、公的な医学教育からも排除されました。
その後は医療とは別のものとして存在し、現在も多くの漢方の医師は西洋医療の医師とは別の場で治療を行っています。
近年になり漢方の需要が急速に高まり、医学部の講義に加えられるなど、再び医学教育の場に漢方医学が取り入れられています。

ハーブ療法

ハーブ療法は世界でも古くから行われてきた薬用植物を用いた民間療法です。日本でも漢方や民間薬として、昔から東洋ハーブを医療に取り入れてきました。
西洋医学が発達した今日でも、やけどにはアロエ、風邪にはしょうがと言ったように、私たちの生活の中にハーブ療法は浸透しています。
ハーブは体に負担をかけず、ゆっくり体の免疫力や自然治癒力を引き出します。ハーブの種類によって効能もさまざまですが、多くのハーブは抗酸化作用、抗ストレス作用に優れています。

日本ではこれまで西洋医療が中心に行われてきましたが、薬剤多用の弊害、医療費の高騰が近年社会問題となっています。
また高齢化社会が進み、生活習慣病やメタボリックシンドロームが増加し、人々は健康への関心が高まっています。
そういった状況の中で、体にやさしいハーブ療法は日本でも少しずつ浸透し始めています。

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